トビリシは昔からヨーロッパとアジアの貿易ルートの要衝であったこともあり、様々な民族と宗教が交流する街であり続けてきました。トビリシの旧市街を散歩するとわかるように、徒歩10分程度の距離内でジョージア正教やアルメニア正教やカトリックの教会、ユダヤ教のシナゴーグ、イスラム教のモスク、ゾロアスター教のアテシュガなどの礼拝所があり、それぞれの宗教の人々が昔から共存し平和に暮らしてきました。昔から宗教、人種などの差別もなく、万人を受け入れ、過ごしやすい環境がありました。非常に寛容な街として有名なトビリシは、現在も、世界中からの観光客や移住者を受け入れ続けています。
考古学者の発見によると、トビリシは青銅器時代から集落として存在していましたが、ここに首都を置くため都市を作ったのは5世紀のヴァフタング・ゴルガサリ王だと言われています。
ヴァフタング王が今のトビリシの旧市街にあたる場所で鷹狩りをしていた時、鷹がキジを追いかけ、戻ってこなかったため、王が大事にしていた鷹を探しに行きました。しかし、鷹とキジが熱い水の中でグツグツ煮立っていたのを発見しました。温泉が湧いていたのです。
王は温泉のある豊かな場所を好み、このトビリシに都市をつくることにしました。やがてトビリシが発展し首都となるまでに至りました。王が狩猟していたと言われる場所は現在の温泉で有名な「旧市街」です。観光地としても定番で人気の場所となっています。トビリシという言葉は、トビリ=あたたかいに由来すると言われており、この温泉が由来しています。
トビリシは都市として発展していく中で、敵に侵略されたり、破壊されたり、苦難を乗り越えてきました。現在のトビリシには、5つ星のブランドホテル、おしゃれなレストランやカフェなどが多く、コーカサス地域のトレンドセンターとして知られています。ストリートファッションやナイトライフなどカルチャーも発展していることから、第二のベルリンと言われています。ツーリズムとしては、ビジネストラベルとして近年注目されているMICEについても人気が高まっています。商談や国際会議への参加を目的に訪れるビジネス客も増えており、MICEは今後も増加すると期待されています。
トビリシのおすすめの観光スポットである旧市街。丸い屋根が見える旧市街の温泉地から、滝への散歩道、ナリカラ要塞からトビリシを眺めるのは定番です。日本庭園のある植物園などもありますが。街中の散策し、温泉に入って体を癒すのもおすすめです。
トビリシの旧市街には、面白い建物が多く建築のワンダーランドのようになっています。また、タマダの像、提示にパペットが時を知らせてくれる時計台もあり、散策するととても楽しい場所です。現代的なデザインのThe bridge of peaceは夜ライトアップされとてもきらびやかになります。
ナリカラ要塞から見下ろす、トビリシの夜景もおすすめです。
旧市街から一歩出ると、自由広場に続くアール・ヌーヴォー建築で有名なルスタヴェリ大通りという目抜き通りがあります。オペラハウス、ルスタヴェリ劇場、国会議事堂、ピロスマニなどのジョージアを代表する美術品が収容された国立美術館、古代の工芸品などが収容された国立博物館などが立ち並びます。
トビリシを見下ろすムタツミンダ山(ジョージア語で聖なる山という意味)も欠かせない観光スポットです。ムタツミンダ山頂までは車でも行くことが可能です。1905年に開設されたケーブルカーで登るのがオススメです。ケーブルカーは海抜460メートルの下駅から海抜730メートルの上駅まで登り、車窓からトビリシの風景を楽しむことができます。ムタツミンダ山の上にはレストラン、カフェ、遊園地、テレビタワーがあり、夜にはライトアップされたテレビタワーは、街中から見ることができます。
「ジョージアの⺟」と呼ばれる巨⼤な⽩い像がそびえ、左⼿にさかずき、右⼿には剣を持って町を⾒守っています。「友にはワインを、敵には戦いを」という意味があり、周辺国との紛争など地政学的に争いの舞台となってきたジョージアを象徴しています。
⼈懐っこくフレンドリーなジョージア⼈は、「友にはワインを」で、私たちを温かく迎え⼊れてくれます。
画家はらだたけひで氏によるトビリシ街歩きマップ
アクセス: トビリシの中心街からトビリシ空港までは、車で約20〜30分です。バスや電車も運行していますが、便数が限られているため、タクシーがオススメです。
宿泊先: 「シェラトン」や「ラディソン」や「マリオット」や「ビルトモア」などの高級な国際ブランドのホテルと並び、「スタンバ」や「ルームズ」や「イオタ」などの現地のデザイナーズホテルや、「ホリデーイン」などのビジネスホテルもあります。バックパッカーに人気な「ファブリカ」を始め、ホステルも様々です。また、トビリシのエアービアンービをチェックしているのもオススメです。「スタンバ」などのデザイナーズホテルは、雑誌やメディアにも取り上げられ注目を集め、人気となっています。