ジョージアに古くから伝わる格闘技チダオバは、屋外で実施し投げ技を中心とします。レスリングと柔道を想起させるこの格闘技は、ヨーロッパからアジア全域の組み技格闘技の流れを汲んでいるといわれています。
古代ジョージア人のイコン芸術に描かれたレスリングのような格闘技チダオバ
異民族支配を受けながら歴史をきざんできたジョージアでは、「チダオバ」、「クリヴィ」、「フリドリ」などという独自の格闘技文化を保ちつづけてきました。その中で「チダオバ」が特に人気があり、ジョージア各地で「チダオバ」を中心とした祭りは未だに行われています。2018年に「チダオバ」は、世界無形文化遺産として承認されました。
ジョージア出身の選手達は、柔道、レスリング、相撲などのスポーツにおいて著しい成績を残すことができた理由の一つは、子供の頃から「チダオバ」をやっているからだと言われています。
例えば、ジョージアの柔道選手ショータ・ハバレリの得意技である投技の手技は世界柔道選手権大会で公式記録として記載されました。のちに国際柔道連盟(IJF)と講道館は、正式名を帯取返(おびとりがえし)としました。
この技は、ジョージアの格闘技チダオバのガダブレバという横崩しの技を、柔道のルールに合うように改良したものだといわれています。
栃ノ心や臥牙丸をはじめ、ヨーロッパ出身力士として初の幕入りをはたした黒海などの相撲力士などは皆さんもよくご存知だと思います。2018年に大怪我から復帰した栃ノ心がで優勝し、大関に昇進したことが話題になりました。
骨格のしっかりしたジョージア人は、相撲だけでなく、柔道やレスリング、ラグビーなども強いのです。
ジョージアで人気のあるスポーツといえばサッカーであるが、ラグビーやレスリング、柔道、重量挙げなどの分野においても強国である。
馬を用いておこなうポロとジョージア伝統の球技レロがポピュラーであったが、レロの競技者はラグビーをおこなうようになっていったといわれています。
ラグビー世界ランキング13位(2019年時点)、ワールドカップ5大会連続出場中です。ラグビーの代表チームの愛称「レロス」は、ジョージア独自の競技「レロ」に由来しています。
ジョージアのラグビーユニフォームにあるぶどうのモチーフ
ラグビーのユニフォームにもぶどうのモチーフが使われています。古代の人々は戦争の時にぶどうの枝をもって戦いに出たといわれ、戦地で亡くなり、ジョージアにしかないぶどうが芽吹くとその地はジョージアの領土になるという言い伝えもあります。